埼玉県南部に暮らすトルコの少数民族「クルド人」の子どもたち。その多くがトルコなどの政府による民族迫害から逃れてきた難民申請者の家族の子です。日本で生きていくことを希望しながら、 日本語の力が足りないことで高校進学をあきらめる子どもが跡を絶たちません。
メタノイアは、2022年から地元のボランティアと協力して日本語教室を開き、その学びを支えています。
同じ埼玉県には、ウクライナから避難民として戦禍から逃れてきた方々とも出会うようになりました。戦争により故郷を破壊された20代や10代の若者、そして幼児を含む子どもたちに、日本社会で孤立させないための緊急支援として、メタノイアは2022年初夏から日本語教育を開始、現在まで継続しています。
日本語を身につければ、学校に行って学び、友だちと遊ぶことができます。そんな周囲の人とのつながりこそが、厳しい境遇にある子どもたちの新しい一歩を踏み出す力になると私たちは信じています。
そこで私たちは、難民・移民ルーツの子ども若者が集まる地域に出向いて小さな教室を作り、丁寧に、長く日本語教育を届けていくことにしました。
日本語を介してより多くの子どもとつながりを紡ぎ、共にことばの壁をこえて未来へ前進するために、どうか皆さまの力をお貸しください。
私たちNPO法人メタノイアは「世界につながる子どもと社会をつなぐ」をミッションに掲げ、外国ルーツの子どもの教育を専門に行うNPO/NGOです。
私たちがこの社会で共に生きている全ての難民・移民(外国ルーツ)の子ども若者たちが、ことばの壁をこえて、それぞれの多様な可能性を最大限発揮できる環境を一日でも早く整えたいと願って活動を広げています。
現在、以下の教室に計約150人の難民・移民ルーツの子どもと家族が学びに来ています。
▷ 川口芝クルド日本語教室(クルド難民の子ども若者/埼玉県川口市)
▷ ウクライナ日本語教室(ウクライナ難民の子ども若者/埼玉県内およびオンライン)
▷ 第三国定住難民日本語教室(ロヒンギャ難民等の若者/埼玉県草加市)
▷ あだち子どもの日本語教室 2ヶ所(外国ルーツの幼児〜中学生/東京都足立区)
▷ あだちプレスクール(外国ルーツ幼児の保育・就学準備教室/東京都足立区)
▷ 蒲田 English Club/日本語教室(英語話者の小中学生/東京都大田区)
専門的資格をもった日本語教師 37人がメタノイアの講師として働いています(2023年9月現在)。対面教室での日本語レッスンやオンライン個別レッスンを、学習希望者のニーズに合わせて依頼しています。
また、中国語、タガログ語(フィリピノ語)、英語、ロシア語など多様な言語を話すことができるメンバーが、学習者のニーズを丁寧に聴き取りながらプログラムをデザインしています。
NPO法人メタノイア代表の山田拓路です。私は2008年から移民(外国)ルーツの子どもの教育・保育に携わってきました。子どもたちの権利を脅かす社会を変えられない自分に無力感を募らせていましたが、もっとやれることがあるはずだと思い、仲間に声をかけて、2021年にメタノイアを設立しました。
その後に出会った、祖国の紛争・軍事侵攻によって命が脅かされてきたクルド難民やウクライナ難民の子どもたち。争い合う大人の身勝手に翻弄されながら生きる苦労は計り知れません。そして辿り着いた日本でもまた、言葉の壁に行く手をはばまれています。
しかし、そんな子どもたちの多くは、背景にある困難を忘れさせるくらいあっけらかんとしていて、日々笑いながら走り回っています。その姿に、私は生きる元気をもらってきました。
すべての子どもは可能性であり、未来であると思います。それを言葉の壁で遮ってしまうのは本当に残念でなりません。
もし難民・移民の子どもたちが日本語の力を身につけてこの社会で夢を実現したら、それはその子たちはもとより、私たち社会全体にとっての幸福にもつながると思います。
多様性豊かな子どもたちが、一人残らず持って生まれた力を存分に活かせる社会を、ご一緒に作り上げていきましょう。
埼玉県に暮らすクルド人の子どもたち。その多くがトルコなどの政府による民族迫害から逃れてきた難民申請者の家族の子です。
これまで日本政府の難民認定率は非常に低く、クルド人の方々にも難民として認められた人はこれまでほとんどいませんでした。
しかし、2023年8月、日本で生まれて学校に通っている子どもたちには、特例措置として在留資格が与えられることが発表されました。
「日本生まれではない」などの理由でその措置から取り残されている子どもいるものの、諦めずにいた子どもたちに少しずつ、希望の光が差し込んできたことも事実です。子どもたちは、これから更に勉強をがんばって、より良い未来の可能性につなげようとしています。
しかし、そこに立ちはだかるのが、「ことばの壁」です。
日本語があまり分からないまま小学校に入学すると、授業を受けていても、そのスピードについて行けなくなってしまいます。そうやって勉強が分からないまま過ごしてしまうと、時間が経てば経つほど、授業に追いつくことが難しくなってしまうのです。
せっかく未来を変えたいと願っていても、ことばの壁に行く手をはばまれてしまう子どもたち。残念ながら現在、学習に困難を抱える子どもたちへの公的な日本語教育サポートは、いまだに十分と言える状況ではありません。
だから、私たちは資格を持ったプロの日本語教師による日本語教育を子どもたちに届けたいのです。高くて堅い「ことばの壁」に囲まれている子どもたちが、進学や就職に向けて将来の可能性を切り拓くために、息の長い丁寧な伴走支援が必要です。
ウクライナにおける戦争により人びとに深刻な身の危険が及び、多くの方が国内外で長い避難生活を続けています。日本にも、2,094人(2023年8月30日時点)の方々が来られています。日本に暮らす親族などを頼って来られた方もいますが、まったく身寄りのないままやって来た方もいます。
その中には、子どもたちもいます。
しかし、保育園や学校に「いきなり」入ることになれば、言葉が通じないために周りの子と話せず、だんだん通いしぶるようになるケースも多く見られています。中には暴力を伴う深刻ないじめのケースもありました。学校から足が遠のいてしまえば、子どもは孤立し、発達も深刻に阻害されていく恐れがあります。
いつ終わるとも知れない戦争に翻弄される子どもたちにの学びと、人とのつながりを絶やさないように、安心して生きていける日が訪れるまで、皆さまからの寄付を原資に息の長い伴走支援をより多くの方に届ける活動を継続させていただきたいと願っています。
安全だけれど、日本語という「言葉の壁」が高い日本。ウクライナ難民の方々がその壁を乗り越えて日本社会との確かなつながりを紡ぐために、引き続き、皆様のご支援が必要です。
母国の紛争を逃れてきたという“難民”の背景をもつわけではない「移民などのルーツをもつ子ども」の中にも、ひとり親世帯など「経済的な壁」により行く手を阻まれている子どもたちもいます。
DVや死別・離別などによりシングルとなった親の元で育つ子どもたちには、多くの場合、経済的な困難がつきまといます。日本語が十分にできないにも関わらず、「月謝が払えないから」という理由で学びを諦めざるを得ません。
メタノイアでは、こうした背景の子どもたちを既存事業の日本語教室で受け入れてきました。皆さまからいただくご寄付を原資に「奨学金無償枠」を設けることで、困窮世帯の子どもも無料で日本語学習を続けることができています。
これまでの皆さまのお支えに感謝するとともに、生まれた環境や難民・移民ルーツがあるかどうかを問わず、子どもたちが全て等しく、学び、健やかに育つことができるよう、皆さまのご協力をお願いいたします。
皆さまの継続的なご寄付が、息の長い支援活動につながっています。
マンスリー・サポーター(継続寄付者)として、難民・移民ルーツの子どもたちへの伴走支援にご参加いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
今回のみのご寄付も上記ボタンから
これからを生きる子どもたちには「属性」を理由に悩む必要のない社会で生きてほしい、という願いのもと、メタノイアの活動にジョインしました。
移民・難民ルーツの方々といってもバックグラウンドはとても多様で一括りにすることはできませんが、制度的にも心理的にも「外国人」として「日本人」から線引きされているように感じたことのある人は少なくないのではないでしょうか。私もその一人です。
どんな背景のもとに生まれても、自分自身を肯定することを阻害されることなく、多様な選択肢から人生を選び取っていける豊かな社会、個人レベルで互いの存在を大切にし、暖かい視線を送り合える社会に近付けていきたいです。
そのためにも、メタノイアの活動や理念を広く知っていただきたいと思っています。「だれもが大切にされる社会」に向けてぜひ一緒に一歩を踏み出しましょう!
外国にルーツを持つ人たちの日本語支援や、生活困窮世帯の子どもたちの学習をサポートするNPOや行政の活動はたくさんありますが「幼少期」の子ども教育支援をする活動は多くありません。
自ら声をあげれない子どもたちの抱える課題は顕在化され辛く、支援が進学や就職といった成果にすぐにつながりにくいことが要因だと考えています。
しかし本来は「幼少期」に教育的支援を受けることで将来の可能性が確かに広がります。
是非メタノイアを支援して一緒に幼い子どもたちの未来の可能性を広げていきましょう!
自分が初めて外国ルーツの子どもたちと接したのは小学生の時でした。
いつも公園にいたその子は、自分は学校に通っていないと言っていました。その時はそれ以上深く考えることなく、気づくとその子は公園に来なくなっていました。そしてその子は外国ルーツの子で、学校に通いたくても通えないということを知りました。
その後、大学時代に海外ルーツの子どもたちへの日本語教育に関わり、外国ルーツの子どもたちが日本で置かれている現状をより知っていきました。知った人間として、同じ日本にいるのに、自分たちにとっての当たり前が当たり前でないこの状況を変えたい、日本で安心して、希望を持って暮らしていくことができるようにできることをしていきたい。そんな想いで、メタノイアに関わって、取り組んでいます。
自分たちにできることもあるし、難しいこともあるからこそ、今回クラウドファンディングに挑戦して、一人でも多くの人に届けて、広げて、巻き込んでいきたいと思っています。ご協力よろしくお願いします。
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