2024.10.08
お知らせ
外国にルーツをもつ子どもたちに日本語教育を提供している認定NPO法人メタノイア(所在地:東京都足立区、代表理事:山田拓路、以下:メタノイア)は、2024 年9月20日(金)より、新たな拠点設立に向けたクラウドファンディングを開始しました。
新たな拠点は東京都足立区・埼玉県川口市の2つを予定しており、本プロジェクトを通じて、日本社会のなかで言葉の壁や差別に直面している難民・移民のルーツをもつ子どもたちに、学びの場と安心できる居場所を提供することを目指します。
クラウドファンディング詳細・支援はこちら
クラウドファンディング実施期間:9月20日(金)〜10月31日(木)
プロジェクト名:みんなでつくる、いっしょに生きる。「いつもあいてる」日本語教室
現在、日本には日本語がわからないまま学校生活を送る「日本語指導が必要な児童生徒」が69,000人以上いるとされています(文部科学省調べ、2023年度)。
その数は直近10年で約2倍ほどに増加しました。学校現場の多くは日本語教育のための予算や人員を十分確保できず、結果として、高校・大学への進学を困難にするなど、人生の自由な選択を妨げる要因ともなっています。
メタノイアはそういった子どもたちを対象に、2021年の設立以来、公共施設などを間借りする形で週1回程度、有資格者の日本語教師が教える日本語教室を運営してきました。
しかし、たまに顔を合わせるだけの関係では、不安げな子ども達や家族に「我々がいるから、もう大丈夫ですよ」とは言い切れないジレンマも抱えてきました。
次々と教室を訪ねてくる、日本語が分からずに困っている子どもたち。
なんとかその子どもたちの力になりたい、安心して頼れる存在になりたい、という想いから、この度メタノイアは、小さくても「毎日開いているあたたかい教室」をつくることを決断しました。
<外国にルーツをもつ子どもたちが安心して通える拠点の特徴>
安定した学びとつながりを育むための教室を週6日、放課後や土曜日の日中に開設し、子どもたちが必要な時にいつでも来られる場を提供します。
専門知識をもった日本語教師の有資格者を中心に、一人ひとりの習熟度に合わせた日本語学習カリキュラムを組み、効果的な学習をサポートします。
「自分も外国ルーツの子どもとして日本で育ってきた」という、いわゆる「当事者」のスタッフも在籍し、母語も使いながら子どもたちの心に深く寄り添う支援を行います。
拠点名 | 特長 | |
1 |
たけのつか日本語教室 (東京都足立区) |
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2 |
Mutlu わらび (埼玉県川口市) |
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たけのつか日本語教室(東京都足立区)施設イメージ
新拠点では、メタノイアが強みとしている年少者への日本語教育だけでなく、日本語教室を必要としている全ての年代の子ども達を受けて入れていく予定です。教室のコマ数増加だけでなく、子どもの日本語教育という特殊指導のマニュアル化、教師の育成、企業コラボレーションによる体験機会の提供なども順次行っていく予定です。
足立区では今、官民連携のエコシステム活動として「まるかるネット」という連携プロジェクトが動き始めています。子どもたちへの支援が「点」でのサポートに終わらないよう、NPO法人を始めとして自治体、大学、マスメディア、地域の株式会社が参画するこのネットワークの事務局的機能として、竹ノ塚の拠点が更なる協創のベースとしても期待されています。
子どもの日本語学習という目的があることで、その家族も拠点に足を運びやすくなります。学校という場所がある子どもよりも、ときにはその家族の方が社会から孤立してしまっていることもあります。新しい拠点は、地域の人たちも気軽に足を運べるよう、地元の人たちとの交流イベントや、運営への参加などを積極的に働きかけていく予定です。
プロジェクト名:みんなでつくる、いっしょに生きる。「いつもあいてる」日本語教室
目標金額:500万円
使用用途:新拠点設立のための施設整備費用、運営資金など
期間:募集期間 9月20日(金)〜10月31日(木)
リターン:新拠点での活動報告会への招待、等
私は2008年から外国ルーツの子どもの教育・保育に携わってきました。子どもたちの権利を脅かす社会を変えなければと願い、仲間に声をかけてメタノイアを設立しました。
しかし、昨年頃から、クルドの人たちに対する苛烈な差別行為がネットやリアルで頻繁に見聞きされるようになりました。子どもたち、その親たちは、その暴言に、暴力に、怯えています。
私はこの15年あまり、何も変えてこられなかったのかもしれません。でも、諦めようとも思いません。子どもたちは勉強をして、スポーツをして、友だちをつくって、前を向きながら育っています。子どもたちが人生を諦めていないのに、大人である私が先に諦めることはできないと思うからです。
「みんなでつくる、いっしょに生きる。」この言葉を体現する教室を、今回のクラウドファンディングで実現したいと思います。ぜひ、この取り組みにご関心をお寄せください。
行政書士/保育士/日本語教師/認定ファンドレイザー
1985年生まれ、兵庫県出身。関西学院大学法学部卒。愛知県のフィリピン学校に勤務した後、岐阜県でフィリピンにルーツをもつ子どもを対象とした保育所や日本語教室を開設、園長・教室長を務める。2018年カナダ・トロント大学にてNon-Profit Leadership for Impact サーティフィケート取得。
2019年から東京都のNPO法人で主にオンライン日本語教育システム事業を担当。2021年、NPO法人メタノイアを設立し、代表理事に就任。同年、東京都行政書士会所属の行政書士として山田国際行政書士事務所を開業。現在に至る。
メタノイアは、「世界につながる子どもと社会をつなぐ」をミッションに掲げ、外国ルーツの子どもの教育を専門に行うNPO/NGOとして、東京都足立区・埼玉県川口市などを中心に日本語教室の運営等を行ってきました。私たちがこの社会で共に生きている難民・移民の子どもたちが、それぞれの多様な可能性を最大限発揮できる環境を、1日でも早く整えたいと願って活動を広げています。2024年7月、公益性の高い活動が認められ「認定NPO法人」として東京都から認定を受けました。
現在、以下の教室に合計約200人の外国にルーツをもつ子どもと家族が学びに来ています。
「また笑われるから、日本語で話したくない…」
12歳のユスフさんは、3年前にクルド難民として来日しました。最初の年にクラスメイトから日本語の発音をからかわれ、それから人前で話すことが苦手になっていきました。
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