この度、認定NPO法人メタノイアが、博報堂教育財団さまの「博報賞 奨励賞」を受賞しました。
博報賞とは、
”「ことばの力を育むことで、子どもたちの成長に寄与したい」そんな想いを核として、日々教育現場で尽力されている学校・団体・教育実践者の「波及効果が期待できる草の根的な活動と貢献」を顕彰”するものです。(博報堂教育財団HPより)
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活動タイトル
難民申請者の子どもと地域社会をつなぐ日本語教室「Mutluわらび」
活動内容
自尊心を取り戻し、自分の可能性を信じられる居場所でMutluを見つける
特定非営利活動法人 メタノイアは、制度的に不安定な立場に置かれる難民・移民の子どもに着目し、クルド人難民申請者の子どもたちが多く暮らす川口市で、ことばの壁や差別的言動により不安を感じる、未来への展望が見えづらい子どもたちに寄り添い、子どもたちの居場所となる「Mutluわらび」の活動を行っている。「Mutlu」とはトルコ語で「幸せ」を意味することばである。
丁寧なアセスメントに基づくカリキュラムの作成とそれに基づく学習支援やスタッフと子どもたちとの丁寧な対話もさることながら、この活動の特色となっているのは、当事者性をもつクルド人スタッフの存在である。さまざまな制度的制限の中、自分の未来を見いだせない子どもたちにとって、クルド人スタッフは日本社会で生きるロールモデルとなっている。学習支援により分かる・できることが増え、ロールモデルに触れることで、子どもたちは自尊心を取り戻し、自分自身にも可能性があることに気づいていく。
同じ背景をもち、困難を抱える子どもたちが仲間を見つけ、未来を切り拓くきっかけが得られる居場所。そしてそこで、子どもたちが日常のささやかな、そして自分の人生の「Mutlu」を見つけられることを願う。そのような居場所が「Mutluわらび」である。
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審査委員より
制度的に不安定な立場に置かれたクルド人の子どもたちに、丁寧なアセスメントによる学習支援や、「Mutlu day」のようにクルド語を用いて自由に過ごせる機会の提供は、子どもたちの学びや自己肯定感の向上に大きく寄与している。また、当事者性のあるクルド人スタッフの存在も、子どもたちが自身の可能性に気づくために大きな役割を果たしている。これらの点が大きく評価された。当事者団体とも連携していることから、当事者との共創モデルとしてさらに活動を発展させ、発信していくことを期待する。
代表理事:山田より