2025.10.17
活動レポート
埼玉県川口市のクルドの子どもの日本語教室には、連日、学習に励む子どもたちがやってきています。
ある日、クルドの子どもの日本語教室で、小学校6年生の子が、九九の勉強をしていました。
2年生の頃日本にやってきたため、当時は日本語が聴き取れなくて学校の授業がさっぱりわからず、九九も覚えられなかったとのこと。
九九がわからないと、その後に待ち受ける割り算も、分数も、理解が追いつかず、そうしてだんだんと勉強についていけなくなります。
勉強がわからない。やる気がもてない。
やがて、高校や大学の進学もあきらめてしまう子もでてきます。
会社にも学校にも、どこにもつながれない若者になったら、家に閉じこもるか、中には夜の街に繰り出す子も。
そうさせないために、学校につなぎ止め、伴走しながら励まし続けるのが私たち日本語教室の役割の一つです。
「外国人」を「安心安全」のために排除すべき、というような言葉も色々なところで語られています。
ですが、この社会でしっかりと自分の足で歩んでいけるようになるための道筋を用意すれば、この子どもたちはこの社会をもっと幸せで明るいところへと変えてくれる力にもなるはずです。
外国から来た子どもたち、あるいは多様な言語や文化のもと、日本で生まれ育った子どもたちのもつ可能性を、信じて背中を押すこと。
それが目の前の子どものみならず、社会をも幸福にすると信じ、私たちは、学校の勉強と生活をサポートするための専門的日本語教育・学習支援を提供しています。
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「まいにちあいてる」子どもの日本語教室を継続して開催できるのは、支援者皆さまのご寄付のおかげです。
子どもたちが安心して通える場を共につくっていただき、改めて感謝申し上げます。
教室のエリアではヘイトスピーチを伴うデモが行われることもあります。いじめの相談も増えています。
子どもの安全が脅かされつつある地域において、安心して過ごし、学べる、あたたかい場を守れるよう、引き続き努めていきたいと思います。
溢れんばかりの嬉しさ、悲しさ、楽しさ、悔しさを抱えて日々を過ごす、子どもたちの隣にいつづけられるために。
子どもたちが、人種や民族、国籍などではなく、「自分自身」を見てもらえていると感じられるように。
この教室は、中央共同募金会「赤い羽根ポスト・コロナ社会に向けた福祉活動応援キャンペーン 外国にルーツがある人々への支援活動応援助成」を受けて開講しています。