2025.10.02
活動レポート
7月7日にスタートしたメタノイアのマンスリーサポーター募集キャンペーンも、いよいよ終盤。
メタノイアの事務局長を務める堀田絵未理が、このキャンペーンに込めてきた思いや、これからの展望について綴りました。
マンスリーサポーター募集キャンペーンも、残すところあと4日となりました。
この期間を振り返ると、たくさんの方と出会い、声を交わし、励まされてきた日々だったと感じています。
社会の中で、外国にもルーツをもつ人やミックスルーツの人たちが直面する現実は、想像以上に厳しいものです。もちろん個人差はありますが、差別的な言葉や態度に日常的にさらされ、「また否定されるのではないか」「危害を加えられるのではないか」「あの視線の裏には悪意が潜んでいるのではないか」と、日々不安と共に生きるストレスは計り知れません。
ミックスルーツである私自身も、かつてなく排外主義的な主張が支持を広げる社会のあり様に、不安と恐怖を感じています。日々見聞きする情報に、言葉に、心が折れそうになる瞬間もあります。
だからこそ、このキャンペーンを通して、一人でも多くの方に、多様なルーツを持つ子どもたちの今と未来を守るためのアクションをとってほしいという願いを込めながら取り組んできました。
その願いを投影するように発信・開催したのが、「子どもたちを差別から守る考え方5選」、9月5日に開催したオンラインイベント「差別から子どもたちを守る実践講座」です。
イベントの申込者数は10月1日時点で約640名。当日参加者は約220名。
想定していた以上の方々が集ってくれたこと自体に希望があると感じています。
ご参加、ご視聴いただいた皆様、本当にありがとうございました。
差別や偏見のコミュニケーションに居合わせた時、被害当事者の心の傷を放置しないため、その場にある差別の芽を摘むため、どんな姿勢で、何ができるか─バイスタンダー、ウィズネスという考え方をヒントに、共に考えました。
(たくさんの印象的な感想から一部抜粋)
"沈黙は中立ではないという話が心に残りました。自分がもし目撃者になったら、と考えた時、重要な問題だからこそ、「正しい返答をしなければ」「中途半端に答えてはいけない」というプレッシャーから、結局その場で何もできなかったとなりやすいと感じたので、それが誰かを傷つけることになってしまうかもしれないという危機感を持つことができました。"
"今後も考え続けなくてはいけない問題だと強く思いました。歴史は、そして社会は、わたしたち「目撃者」のありかたによって、よりよいものになると思うので。"
"問題意識を持つ人は自分一人でないこと、様々な抵抗や連帯、共生のあり方を共有し、エンカレッジする機会は今、本当に重要だと思います。"
"その場では、きっと緊張します。でも、何かしらの意思表明が言葉でなくてもできるということが分かり、生かせそうです。"
ありがたいことに、今回の取り組みはメディアにも多く取り上げてもらいました。
差別や排外主義の思想を子どもたちに引き継がないため、差別の芽を摘んでいくための私たちの取り組みを広く知ってもらう第1歩となりました。
・NHK:https://news.web.nhk/newsweb/na/nb-1000121548
・NHK World:https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/news/20250906_04/
・朝日新聞 Withnews:https://withnews.jp/article/f0250915003qq000000000000000W08k10101qq000028264A
・他、教育新聞、西日本新聞に掲載いただきました。
ウィズネスの姿勢を持ち、「傍観する第三者」から抜け出し行動を起こす方が増えれば、多くの人が支えを感じ、心が軽くなると思います。
お申し込みいただければまだアーカイブ動画の視聴が可能です。
ウィズネスとは?バイスタンダーとは?と気になっている方、ぜひこちらからお申し込みください:
https://metanoia250905.peatix.com/
メタノイアは、日本語教室という「場」を大切に運営しています。
私たちは、ネット空間ではなく、生身の人と人が出会い、関わり、影響し合う、現実世界に存在しています。
外国にルーツを持つ子どもや家族だけでなく、スタッフ、ボランティア、地域の方々など、昨日まで別の世界で生きていた人々が出会い、知り合い、たくさんの「違い」を越えて、肩を並べて笑い合う。
専門家の下、日本語の学びも深められ、人と人との繋がりを育める場を、これからも大切に広げていきたいと考えています。
社会に「居場所がない」と感じる人の中には、知らず知らずのうちに気を張り、傷つくことを恐れながら生きている人もいます。
そんな中で「ここなら大丈夫」と思える場所に出会えることは、何よりも大きな支えになります。
ありのままの自分を否定されずに過ごせる場。
自分自身を受け入れ、安心できる時間。
それは、生き抜く力そのものにつながっていきます。
こうした場での出会いの積み重ねが、排除ではなく受け止め合いのある社会ーウィズネスであふれた社会をつくっていくものと信じています。
けれども、こうした「現場」につながれる人は、まだ限られています。
差別や排除の現実を知らず、「外国人」や「ハーフ・ミックスルーツ」の人々に対して固定的なイメージを抱きながら日常を過ごしている人が多いのもまた事実です。
そのため、私たちは日本語教室などの場づくりと共に、研修や学びの機会を通じて「現実を知り、共にあろうとする人」を増やしていくための取り組みにも力を入れようとしています。
例えば今年度は、文部科学省の補助を活用し、子どもたちの最も身近にいる学校教員の方々向けに、差別やマイクロアグレッションの実態を学び、対応を考えていけるオンライン研修コンテンツの開発に着手しています。
「隔ての壁を越え、多様性を力として、すべての人が幸せを追求できる社会へ」
このミッションを実現するために、幅広く活動していきたいと考えています。
一方で、どの活動を継続、発展させていくにも、組織としての安定した収入が欠かせません。
子どもたちの学びや居場所を守るために、持続的に働ける組織であることが必要です。
安心して生活できる報酬があってこそ、スタッフが心を込めて子どもたちや、日々の活動に向き合えます。
挑戦し続けるための土台となる資金があってこそ、新しい取り組みを生み出し、広げていくことができます。
人は誰しも多様な面を抱えて生きています。
「ある一つの違い」だけを殊更取り出して線を引き、排除する社会を望むのか。
それとも、一人ひとりの数多ある違いを含めて、そのまま受け止め合える社会を望むのか。
「国籍」や「ルーツ」に留まらず、あらゆる面で、「自分ごと」として考えられる問いです。
子どもたちを「ひとり」にしないために、差別の芽を摘み、誰もが安心して生きられる社会に近づくために、私たちは歩んでいきます。
けれどもやはり、そのためには皆さんの力が、後押しが必要です。
社会をかたちづくる「当事者」として、ぜひマンスリーサポーター(継続的な支援者)にご参加いただきたいと願っています。
毎月の継続的なご支援は、子どもたちの学びと居場所を守る土台となり、新しい挑戦を生み出す力になります。
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マンスリーサポーターについての特設ページはこちら:
https://metanoia.or.jp/donation/lp/index.html
(今すぐ参加する)
▼クレジットカード決済をご希望の方はこちら
https://congrant.com/project/metanoia/14230/form/step1
▼口座振替をご希望の方はこちら
https://metanoia.or.jp/donation/monthly_koufuri.html
▼(既存のマンスリーサポーター向け)寄付金額の増額変更はこちら
https://forms.gle/UuVPcsvxr6Zjm9EcA
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この機会に、ぜひ仲間に加わってください。